Webサイト制作の契約書:署名前に必ず確認したい項目

著者 · 2026年10月30日 · 5分で読めます

チェックリスト付きの契約書、署名用のペン、ドメインの所有を表す鍵と地球のイラスト

Webサイト制作のプロジェクトが技術的な理由で失敗することはあまりありません。よくあるのは、「この機能は含まれていると思っていた」ために費用が膨らむ、ドメインが制作会社の名義で登録されていた、サイトに不具合が出たときに開発者と連絡が取れない、といった事態です。こうした問題のほとんどは、明確な契約書で防げます。

この記事では、Webサイト制作の契約書に署名する前に入れておきたい項目を紹介します。法的助言ではありません。金額の大きなプロジェクトでは、法務部門や顧問弁護士にも目を通してもらってください。

明確に書かれた作業範囲

誤解が最も生まれやすいのがこの部分です。「会社案内サイト」としか書かれていない見積書は、双方で解釈が違うことがあります。作業範囲は詳しく書いてもらいましょう。

  • ページの一覧、または最大ページ数。
  • 対応する言語と、翻訳の担当者。
  • 含まれる機能(見積もり依頼フォーム、製品カタログ、ブログなど)と、その上限(制作会社が登録する製品数など)。
  • 文章、写真、ロゴなどのコンテンツを誰が用意するか。制作会社が執筆や撮影をする場合は、それも明記します。
  • 料金に含まれるデザイン修正の回数。
  • 含まれないもの。この一覧は、含まれるものの一覧と同じくらい重要です。

途中で追加の要望が出たときの扱いも書いておきます。書面で依頼し、追加の費用と期間を提示し、承認されてから作業に入る、という流れです。

スケジュール、工程、支払い

プロジェクトをデザイン、構築、コンテンツ入力、公開などの工程に分けます。各工程には確認できる成果物と目標日を設けます。支払いは日付だけでなく、完了して承認された工程にひも付けます。

発注側の責任も忘れてはいけません。スケジュールが遅れる原因は、発注側の資料提出や承認の遅れであることがよくあります。公平な契約書には、その場合にどうなるかが書かれています。スケジュールがその分ずれること、そしてプロジェクトがいつまで継続中とみなされるかです。

サイトがいつ完成とみなされるかも書いておきます。たとえば、書面で検収を確認したとき、または納品から一定の営業日内に異議がなかったときです。

権利の帰属:ドメイン、デザイン、プログラム

最も見落とされやすく、しかも影響が最も大きいのがこの点です。インドネシアの著作権法(2014年法律第28号)では、コンピュータープログラムは保護される著作物です。同法第36条は、注文に基づいて作られた著作物の著作者および著作権者は、別段の合意がない限り、著作物を作った側であると定めています。

つまり契約書に何も書かれていなければ、費用を払ったサイトのデザインやプログラムの権利を、発注側が持っているとは限りません。著作権は書面の契約で移転できるので、次の点を明記しましょう。

  • 全額支払い後、デザイン、文章、写真、プログラムの権利は誰が持つか。
  • 制作会社に残る部分(多くの案件で共通して使う部品など)と、それを使うために発注側が得るライセンスの内容。
  • テーマ、有料プラグイン、フォント、ストック写真など第三者のライセンスの名義と有効期限。
  • ドメインを自社名義で登録すること、そしてドメイン管理アカウントに自社がアクセスできること。

保証、保守、セキュリティ

Webサイトは一度作れば終わりの製品ではありません。公開後も更新、バックアップ、修正が必要です。契約書では次の2つを分けて書きます。

  • 保証期間:制作会社が自社の作業の不具合を無償で直す期間と、何を「不具合」とするか。
  • その後の保守:有無、費用、内容。たとえばセキュリティ更新、バックアップとその頻度、監視、月あたりのコンテンツ修正時間などです。

サイトに問題が起きたときの対応時間を約束している場合は、「できるだけ早く」ではなく具体的な数字で書いてもらいましょう。

訪問者の個人データ

Webサイトのフォームは、氏名、メールアドレス、電話番号などの個人データを集めます。インドネシアの個人データ保護法(2022年法律第27号)では、通常、発注側の会社がデータ管理者です。発注側に代わってサイトとサーバーを運用する制作会社は、データ処理者になる場合があります。

同法第51条は、処理者が管理者の指示に基づいてデータを処理すること、ほかの処理者を関与させる前に管理者の書面による同意を得ることを求めています。第46条は、個人データ保護に失敗した場合、管理者が遅くとも3×24時間以内に書面で通知することを求めています。そのため契約書には次の点を入れておくべきです。

  • 制作会社は、発注側のサイトを運用する目的にのみデータを使うこと。
  • データに関わるインシデントがあれば、発注側が自らの義務を果たせるよう、制作会社が速やかに知らせること。
  • データ処理にほかの事業者を使う前に、制作会社が書面で許可を求めること。
  • 取引終了時にデータをどう扱うか。

引き渡し、そして取引が終わるとき

良い契約書には、別れ方も書かれています。いつか制作会社を変えることになっても、ゼロからやり直さずにサイトを持ち出せるようにしておく必要があります。引き渡すものを契約書に明記しましょう。

  • 制作会社のアカウントだけでなく、自社の担当者名義のCMS管理者アカウント。
  • ドメイン、ホスティング、メールへのアクセス権、または少なくとも移管の手順。
  • ほかの事業者でも使える形式での、サイトのコンテンツ(文章、画像、製品データ、フォームからの問い合わせ)のコピー。サイトが制作会社独自のプラットフォーム上で動いている場合は、何をエクスポートできるかを最初に確認しましょう。プラットフォーム自体は通常引き渡されません。
  • 使用技術、バックアップの方法、復元の方法をまとめた簡単な資料。

保守契約を終了する際の予告期間と、紛争の解決方法も書いておきます。

署名前のチェックリスト

  1. 作業範囲(含まれないものを含む)は書かれていますか。
  2. 支払いは完了した工程にひも付いていますか。
  3. サイトがいつ完成とみなされるかは明確ですか。
  4. 全額支払い後、デザインとプログラムの権利は誰が持ちますか。
  5. ドメインは自社名義で登録されますか。
  6. 保証と保守の内容と費用は。
  7. 個人データに関する条項はありますか。
  8. 取引終了時に何が引き渡されますか。

明確な契約書は不信の表れではありません。むしろ、双方が議論ではなく仕事に集中できるようにしてくれます。

Web制作会社の選び方と.co.idと.comドメインの選び方もあわせてお読みください。見積もりを比較中なら、サービスプランをご覧いただくか、お問い合わせください。